IR(統合型リゾート)の進捗状況。候補地はどこに絞られる?

IR(統合型リゾート)いつ頃できる?

上記、「IR(統合型リゾート推進法成立)までのながれ」で確認しましたように、2016年12月に衆院内閣委員会で可決された「カジノ法案(IR推進法案)」ですが、法案が可決されたからすぐに日本にIRができ、カジノをプレイすることができるのかというとそうはいきません。
 この後、

1. 法整備
2. 候補地の選定
3. 施設の設計・建築
4. オープン準備

 などを経てやっと日本に統合型リゾートがオープンできるのです。
ただ、当初の予定では、候補地とほぼ確定的な「大阪-夢洲」での2025年万博の開催の跡地利用として、IRが建設されるのではないかというのが一般的な見方でしたが、「新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)」が全世界に蔓延したため、大きく計画は狂ってしまっているのではないでしょうか。

IR(統合型リゾート)進捗状況(2022年3月現在)

 2020年12月18日に政府は第7回IR推進本部会合を開催し、その会議の中で、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、次のような方針を決定しました。

1. 最大3カ所の整備地域を選定する基準を盛り込んだ基本方針を決定。
2. 自治体からの申請期間については、新型コロナウイルス感染拡大の影響のため次のように変更、

   (予定)2021年1~7月 ⇒ 2021年10月~2022年4月

3. IR開業時期
  申請期間にあわせて2020年代半ばから2020年代後半にずれ込む見通し。

 ※ コロナ禍で訪日外国人観光客が激減してはいるが、2030年には訪日外国人旅行者数6000万人、消費額を15兆円とみこんでいる。
 ※ IR開業を起爆剤に、増加や国内各地への需要開拓などを図ろうとしている。

 

IR(統合型リゾート)開業までのスケジュール

 下記のようなにIR(統合型リゾート)の開業までのスケジュールが政府より出されています。
「新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)」により大幅にスケジュールが遅れましたがこの計画通り進んで行けばいいですね。

<IR開業までのスケジュール>

IR開業までのスケジュール(参考)画像については「平成29年8⽉特定複合観光施設区域整備推進本部事務局」からの資料をもとに当サイトで作成

IR(統合型リゾート)候補地MAP

 下記の図はこれから日本におけるIR(統合型リゾート)の候補自治体(候補地)を表しています。
IR(統合型リゾート)の候補自治体は大きく分けて、

:有力候補地
:検討中候補地
:候補地断念(撤退)
 
※ 地図上の文字(有力候補地、検討中候補地、候補地断念)、自治体(数字)をクリックで詳細を確認できます。

IR(統合型リゾート)有力候補地

 2022年3月、IR(統合型リゾート)を積極的に進めている自治体について簡単に解説しています。

① 大阪 夢洲

② 和歌山市 マリーナシティー
IR和歌山マリーナシティー 2021年6月2日、和歌山県は、IR(統合型リゾート)の誘致場所について、和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致計画について、運営事業者候補のうち、1社が5月に撤退を表明するなどありましたが、カナダのIR投資会社のグループ会社「クレアベストニームベンチャーズ」(東京都)を運営事業者候補に選定し、誘致計画を継続する姿勢を打ち出した。
<和歌山市のIRについての取り組み(Youtube)>

③ 長崎 佐世保 ハウステンボス
IR候補地長崎ハウステンボス 2021年8月30日、IR(統合型リゾート)誘致場所として長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」として計画していたが、長崎県は30日、オーストリア国有企業傘下の「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」を事業予定者に決めたと発表。開業総事業費は3500億円で、年間840万人の集客を見込む。2024年後半の開業を目指す。

IR(統合型リゾート)検討中候補地

 2022年4月には、各自治体からIRを誘致するかどうかを国に対して申請を行わなければなりません。2022年3月現在、まだ断念はしていないが、申請はされていない候補地について簡単に、解説しています。

④ 宮城県 仙台(仙台空港周辺)
IR候補地仙台空港周辺 2020年1月21日、IR(統合型リゾート)誘致場所として仙台空港周辺を候補地としIR(統合型リゾート施設)誘致の可能性を探る調査報告書案を公表。七十七リサーチ&コンサルティング株式会社(七十七銀行グループ)に委託。IRの整備費として約3,300億円と試算し、投資額の回収に20~46年かかる「過大投資」を懸念。
北海道・東北地域で国にIR区域整備計画を申請する可能性がある唯一の都道府県・政令市となっている。

⑤ 東京(お台場)
IR候補地東京お台場 1999年「カジノ構想」を打ち上げたのは、当時、石原慎太郎が都知事だった。「言い出しっぺ」は東京都であったが、現在(2022年)はIRに後ろ向きとなっており小池百合子都知事は「検討作業については休止している」と述べた。」。理由は「可及的速やかに行うべき新型コロナウイルス対策と、恒常的なもので少し人数を減らしながらやっていく」とコロナの感染症対策がいま、立ちはだかっている大きな課題ということのようです。

⑥ 愛知(常滑)
IR候補地愛知 2021 IR誘致に意欲を見せている愛知県は、「中部国際空港やその周辺エリアにIR設置候補としていたがコロナ禍のなか、引き続き検討することを表明はしているものの、現在(2022年3月)まだ、IRそのものが事業としての可能性があるかどうかの検討にとどまっている。「あいち・とこなめスーパーシティ構想」とともにIR誘致も全体構想として勧めていくのかもしれない。

⑦ 徳島(鳴門)
 IR法案が可決され、四国では唯一誘致に向けて動き出したのは徳島鳴門市だけでした。鳴門は民間団体が中心となり、鳴門大橋を使えば、関西圏にも非常に近い立地でもあり、カジノと保養地をセットにした構想を掲げてはいるが、申請期間が迫っている2022年3月になってもまだ、申請の動きはない。

⑧ 沖縄県(名護市)
沖縄名護市イメージ 2015年3月にテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ/大阪市)が沖縄に進出することを沖縄県に伝えたが、これは大阪のUSJのような映画などのテーマパークではなく、インバウンドをの集客をもくろむものであり、進出の本当の狙いはIRではないかと言われている。実際、USJのカンペル社長は「沖縄、名護市で新しいテーマパークとIR(統合型リゾート)建設の両方の可能性を検討する。」と述べている。

IR(統合型リゾート)候補地断念(撤退)

 当初、IR(統合型リゾート)候補として名乗りを上げていた各自治体の中にはここ数年で「コロナ禍」もあり自治体の状況も一変した。インバウンドの観光客も見込めないなど先行き不安な状態ではIRを誘致するにはリスクを伴うことが予見され辞退を表明する自治体も現れた。
そんな、自治体について簡単に解説してみました。

⑨ 北海道(苫小牧 他)
IR候補地北海道苫小牧 2021年3月、IR誘致に向け積極的に目指していた苫小牧岩倉市長に対して、鈴木知事は統合型リゾート施設IRの誘致申請を見送ることを伝えた。大きな理由としては「コロナの拡大でIR事業者の経営状況に影響が出ているため」とした。ただ、今後「IRに挑戦する姿勢に代わりはないこと。」は強調した。その時期は明言を避けた。

⑩ 千葉(幕張メッセ)
IR候補地千葉幕張メッセ 2020年1月、IR誘致に向け積極的に目指していた千葉県ではあるが2019年に千葉県を襲った台風15、19、21号に伴う災害によって多くの被害を受けたこともあり、IR認定申請までの期間が短すぎて時間が取れないなどの理由で誘致を見送る方針を表明した。

⑪ 神奈川_横浜(山下ふ頭)
R候補地横浜山下ふ頭 2019年8月、IR誘致を表明していたが、1年後の2020年8月末、2019年末に発覚した「IR事業を巡る汚職事件や新型コロナウイルスの感染拡大の影響」で横浜市は実施方針公表を延期。 また、20年に米カジノ大手ラスベガス・サンズが日本から撤退表明するなどもあって、林市長は20年8月18日に実施方針の公表を再延期とした。

 

IR法案通過までの流れ

 IR法案通過までの流れを次のページで解説しています。参考になればと思います。
<IR(統合型リゾート)推進法成立までを振り返る。>

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